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グーグルの世界では「コンテンツイズキング」ではなく「コンテンツイズプア」である

ウェルク問題で盛り上がっているので、

現状インターネットメディアを自称するほとんどの会社がやっていることは、実質メディア運営ではなく、検索エンジンを占拠するビジネスである

検索エンジン占拠ビジネスにおいては、コンテンツにお金をかける、特に一記事にコストを掛けることは経済的に不合理である

と考えている理由について、気分転換がてら書いていきます。

最初に断っておくと、これから書くことはメディア運営をしている一個人の感想であると同時に、メディア運営者の一人として自分も完全にブーメラン案件であり、誰が正義とか悪いとかそういうことを話したくて書くわけではありません。

よくも悪くもインターネットというのはこういう仕組みになっているので、短期的な経済的成功だけを目指すのであれば、ウェルクを始めとする昨今のキュレーションサイトのようなやり方は合理的である

というの旨の話となります。

今回のウェルク炎上で比較的ディープな情報も表に出てしまっているので、自分にとって不利益になってもおかしくないであろう公然の秘密的なことも、ポジトーク抜きでペシペシ書いていきたいと思います。

もう周知の事実だと思いますし、自分の親や家族にも「こうやってwebの世界は回ってるんだよ~」と知ってもらいたいという事もあって、割りと長く書いています。

量的には約7000文字くらいかな・・・

こんなの書いてないで仕事すればよかった・・・

では本編へ

グーグルランキングの決まるプロセスに、ユーザーはいない

これを読んでくださっているあなたが、どこまでご存知か知りませんので、一応かんたんに解説を

グーグルでは、コンテンツを必要としている人とは関係のないところ順位つけされています。

グーグルでのランキングがどのように決まるのか?

1.コンテンツの質(網羅性だの共起語だのしっかりかかれているか?の定量評価)
2.コンテンツの投下スピード
3.グーグル利用者の検索での行動
4.リンク

細かく見ていくともっとあると思うんですが、かんたんに分けるとこんな感じかなと。
多分そんなに異論もないと思うんですが。

2.コンテンツの投下スピードは、要するにどれだけそのことについて色々深掘りするコンテンツが投下されているか?ということです。

更新頻度といったほうがわかりやすいかもしれません。このスピードが早いほうが、グーグルは評価を高めるのは間違いないと思います。

「3.グーグル利用者の検索での行動」ですが、これはあなたの検索で見るサイトでの行動と、次に検索するキーワードなどから、グーグルは検索者の意図を掴み取っています。

今は困って検索している人の数よりも、プレイヤーの数のほうが多い検索クエリもかなり多い気がしています。もちろん数的根拠ゼロ、僕個人の体感です。

例えば「WP インストール方法」と本当に困って検索する人の数よりも、同キーワードで上位表示したい、順位が気になって検索したりライバルサイトチェックのために検索する人の数のほうが多いということです。

これはどういうことかというと、検索結果自体に、本来それに悩んでいるユーザーというよりは、そのコンテンツを書く人が大きな影響を与えているということです。

「4.リンク」は説明不要かな・・・リンクが貼られていると、その記事が上位表示されやすくなるだけではなく、そのドメイン全体の信頼性がアップ。他の記事を書いてそっちも上位表示されやすくなります。

文中で紹介するのもリンクですし、この記事への反論するためにリンクを張ってくれたらそれもリンクになります。

2chまとめもリンクですし、はてブもリンクです。ツイッターは最近リンク効果がかなり弱まりましたがそれでもリンクです。ツイッターで話題になると、他のまとめサイトからのリンクが入るので、そういう意味で破壊力高めです。

で昨今バズが大事だとかなんとかネット界隈では言われていますが、このバズもSEO的文脈、つまりグーグル上で上位表示されるという意味合いも多分に含んでいます。

PV数で広告枠を売っているメディアはちょっと別かもしれませんが。

でここから本題へ。

インターネット上において、コンテンツは即座に模倣されコピーされていく

雑にまとめてしまうと、グーグルで上位表示される上で大事なことは、コンテンツとリンクです。

その上でいきなり結論から言ってしまうと、現状コンテンツに金をかけるのってメディア運営者からすると経済的には非合理的です。

というのもあまりに検索エンジンが便利すぎるがゆえに、がんばって自分でいろいろ調べて書いても、秒速で模倣されるからです。

びっくりするくらい秒速で模倣されます。

模倣度合いも様々で、「まんまコピーやんけw」というものから、「これ自分のサイトを参考にして書いたな」「これは完全に後被せだけどすげー調べて書いてある」
というものまで様々です。

最近オウンドメディアなんて流行ってますけど、企業のメディアがコンテンツマーケティングを謳うweb会社に発注しているため、その社員やスタッフ、外注ライターさんたちが個人のアフィリブログを平気で模倣したり、間違った情報をそのままぶっこ抜いて使っているなんてケースもザラにあります。

これは企業のメディアを作っている人が、企業内部の人間ではなく、あくまでも外部の人間が手がけていることで起こっています。

見てると結構ひどいですよw正直やられると内心結構引きますw

これはそこそこ業界では有名なコンテンツSEOを謳う企業でも普通にやったりしています。そうでない企業もあるとは思うんですが。

受注金額-コンテンツ制作費用=利益

なので、まあ気持ちは分かりますし、良い悪い別として彼らの立場からすると経済的に合理的です。

最近では月額課金の共起語ツールなんていうものも出現しています。

「その時に上位表示しているサイトでツールで何を書かれているかを分析して、それを模倣orプラスアルファして上位表示しましょう」ということを堂々主張する企業やコンサルタントも出ています。

自分が興味ないジャンルで記事を書くのはやっぱり大変ですから、とりあえず その時上位表示しているサイトの真似から入っちゃえってことですね。

ちなみに自分がこのベンチマーク(というか標的に)にされるとめっちゃつらいですw
リサーチしたり、ユーザーが何に悩んでいるかを把握するのも結構なコストがかかりますから。

標的にする側からすると楽なんですけど。

その上、今は他人のサイトの流入キーワード何かがわかります。

これはアフィリエイトサイト運営者もそうですが、キュレーションなんかも個人のサイトからデータをパパーっと抜いてきて金になりそうなキーワードと、そこで表示されるコンテンツを他のサイトからぶっこ抜いて優先的に記事を展開しています。

何か記事を更新するたびに、同じようなサイトやメディアを運営している同業者や、オウンドメディアの作り手などに見られ、秒速で模倣、被されます。

良い悪いはおいておいて、これは 以前から日常的に行われていることです。

ムカついても止められませんし、正直同じトピックで書けることもそんなに違いがないのことと、プレイヤーの数も凄まじいことから内容は当然被ります。(アップル製品開封の儀のブログを見ればわかるかと思います。)

つまりコンテンツそれ自体に(相対的な)価値はないんですよね。

SNSでのアクセスは一過性ですし、グーグルで上位にならないと継続的なアクセスが担保できないので、グーグルで上位にいること自体に価値があります。

残念ですが、こんな状態で自分でいちいち調べてコンテンツを作っていくことに、経済的合理性はありません。

特に正しいことほど書けることの幅が狭くなっていくので。

僕自身は外注ライターも使っておらず、世の隅っこで自分でシコシコ記事を書いていますが、仮にスタッフを雇っていて彼らの生活がかかっていたり、向上心の塊のような人間だったら容赦なくリライトさせると思います。

現状、ビジネス的にそこにこだわる意味が全く無いので。

ネットにおいては、一般書籍や雑誌と違い、著作権という概念が実質ないも同然です。

即座にコピーされるので、コンテンツに(手間や)金をかけること自体は、検索エンジンで優遇される環境ではありません。

よって「コンテンツに金をかける」ことは、 「グーグルで継続的にアクセスを集めてそれを収益化するビジネス」としては極めて非合理的です。

で次はグーグル上で大切なリンクのお話へ。

SNSでのシグナルは有効な指標として機能していない

コンテンツで差がつかないのであれば、もうリンクしかないでしょ!!!

ということで、ネット上で悪者扱いされる自演リンク、通称ブラックハットが登場します。
自分のサイトに自分でリンクを送るわけです。

でグーグルに支持を得ていると誤認させて上位表示を狙うと。最近はグーグルも頭が良くなってきているので前ほど楽ではありませんが・・・

ちなみに大手企業もバンバンやってます。

超有名な上場企業のメディアも平気でやってますから。リブセンスがペナルティを受けたことでちょっと前に話題になっていましたが、今現在も金あるところもびっくりするくらいやってます。

あとはお金払ってブロガーさんの自分のサイトへのリンクを張った記事を書いてもらう、記事広告なんかもありますけど。

あれってだいたいリンク目的です。PR効果を狙ったものも中にはあると思いますが。

リンクを貰って、グーグル上で優遇されたいわけです。リンクをたくさんもらっているサイトからのリンクはグーグルから高評価されます。

とくにブロガーさんのブログはナチュラルリンクがいっぱいついてますから、そういうブログからリンクがほしいわけです。メディア運営者は。

その流れでdenaのキュレーションの一つメリーの話をひとつ。

メリーはコンテンツの切り貼りで運営されている最も成功しているキュレーションメディアです。

少し前、そのメリーが引用元へのリンクを一斉にnofollowにするという施策を行い、多方面から批判されていました。

nofollowというのは「引用はしていますが、このリンク先は信用していません。私は信用して引用しているわけではないので、グーグルさん決して信用しないでください」という意味合いが強いリンクです。

コンテンツ自体が100%引用でできている上に、画像をサイト運営者のサーバーに負担をかける形で使用しているので、なかなか非難されていた記憶があります。非難されるのは当然なんですけどw

その批判の中、メリーのSEO担当者はcssナイトというSEO業者向けのイベントで、その経緯を説明。

(悪意なしで要約すると) 「悪意はなかった。nofollowにしてアクセスがどうなるか確認して、特に変化がなかったので(followリンクに戻した)」

という旨の発言をしていました。(目撃者は数百人単位でいらっしゃると思います。イラッときたことはあまり忘れないので事実誤認はほぼないと思います)

まあ要するに、自分たちが他のサイトにリンクを送ってメリーが検索で抜かれたら嫌だ!ってことなんですが。

「悪意しかね~じゃねーか」と知人と話を聞きながら皆突っ込んでいましたが、どのインターネットメディアもこれくらい色々自分が検索エンジン上で順位を上げるためにあの手この手努力をしています。

で、かつ、最近ではこういう発言を悪気もなく公共の場でするほど、未成熟で無節操な人たちが大金を使ってメディアを運営するようになっています。

リンクはグーグルで優遇されるためにとっても大事なんだよ~という文脈で、SNSでの反響、通称バズはサイト運営者にとって、とっても大事なんです。

なぜなら反響そのものがリンクになるからです。

どのSNSでの反響がグーグルに特に影響をあたえるかは、グーグルのアルゴリズムによって変わります。

ツイッター、はてぶはやっぱり強いと思います。(現状ツイッター自体にリンク効果はないと感じていますが)

ここで大事なことが・・・コンテンツへの支持も、dis、ヘイト系の反応もグーグル上での一票となるということです。

ヘイトのほうがその性質上数が大きくなりやすいので、「わけの分からないコンテンツほど反響を呼び、リンクが集まり上位表示されやすい」という歪んだ環境があります。

これが「良いコンテンツはリンクが集まりグーグルでも上位表示される」という言葉を都市伝説にしてしまっています。

ちょっと前に女性の方*が「グーグルはSEO対策されてるものが表示されるのでクールじゃない」系のご発言をされていました。これはコンテンツへの支持表明を「ユーザーという立場で消費するユーザーの多くはSNSをしていない&支持を表明しないサイレントマジョリティである」という現状が大きいかなと思います。
GENKINGという男性の方のようです。すいませんwご指摘ありがとうございます!

例えば、炎上で有名なブロガーさんいますよね?

彼がどうやってアフィリエイトで儲けてるのかって言うと、要するに炎上することでついたナチュラルリンクでドメインを強くして、そのドメインで検索者向けにアフィリエイトをするという手法で儲けています。

サイトの一記事にでもリンクが集まれば、他の関係ない記事でもそこそこ上位表示されやすい状態になってくれます。

そこを意図したかしてないかは知りませんが、うまく利用していると。

なので、彼らにとって炎上そのものがビジネスの強さの源泉です。

普通の泡沫ブロガーが弟子入りして稼げない理由はそこにあります。炎上が足りないのでリンクがもらえず、検索エンジンからのアクセスを拾えないわけです。特にお金になる検索キーワード周りが。

なんでもいいから馬鹿なこと言って炎上してリンクを集める、そのドメインの中で「オススメ旅行サービス○選」とか適当な記事を放っておけば、それなりにグーグル上で上位表示してくれるというわけです。

ちなみに、その検索結果に「オススメ旅行サービス 」を知りたいユーザーの意見は反映されていません。

サラリーマンを揶揄した人への非難や反論が、なぜか「オススメ旅行(や転職でもなんでもいいですが)サービス 」で上位表示される要因になっているということです。

メディア運営ビジネスのほとんどは実質「検索エンジン占拠ビジネス」である

ネットメディアがどーたらこーたらとかプラットフォームがどうたらこうたら言っていますが、結局のところそれができている企業はアマゾン楽天くらいで、95%のネットメディアは「検索エンジン占拠ビジネス」なんですよ

はっきり言ってしまうと、コンテンツなんてどうでもよく、グーグルで上げさえすれば儲かるので。

これはグーグルが信頼性の担保を行ってくれているからできていることなんですが。

で、

コンテンツは秒速で模倣される
コンテンツに違いが出ないのでリンク(もしくは記事投下スピード)しかない

という状況なので、(検索エンジン占拠ビジネスにおいては)コンテンツに金をかけること自体が経済的に非合理的だと、自分は強く感じています。

(どのような文脈であれ)リンクがたくさんついたドメイン、つまりドメインの力が高い状態だと、何を書いてもグーグルでは優遇されます。

なので(グーグル上で優遇されたかったら)記事なんてなんでもいいんですよ。他人に書かせて後からそれをリライトすればいい。

とにかくコンテンツ制作コストを落とす、他の切り貼りで十分。そこで削ったコストを他に当ててコンテンツの流通を抑えに行く

大量に記事を入れていけば、その真偽やともかく、定量的な指標さえクリアしていればグーグルも評価してくれるので。

それがウェルクのライターマニュアルにあった8000文字とリライト指示書の正体です。

その結果、グーグルというコンテンツ流通経路で優遇されるのは「コストを支払ったコンテンツ制作者ではなく、彼らにタダ乗りしたメディアになる」という現在の図式の完成です。

は○ぶの広告欄を見てればわかるかと思いますが、中小企業のアフィリエイトサイトから、リ○ルート、サ○バーエージェントの小会社などアフィリエイトサイトとして、広告を出向しています。※一応伏せ字

あれは広告出稿して買ってもらうためではなく、「は○ ぶ=リンク」として、SEOでとても効果があるからなんです。メディアを知ってもらうためではなく、グーグルでの検索結果で上位表示されるために行っているものです。

とにかく「どんな文脈でもいいのでリンクを貰う、(ユーザーではなく)その時グーグルが好むコンテンツを投下していく。オリジナルかどうかは特に関係がない。グーグルだけを見て、これだけを愚直にやり続けることが検索エンジン占拠ビジネスにおいて最も合理的」というのは誰も言いたがらない公然の秘密だと思います。

ウェルクやメリー、イエモなどキュレーションサイトがグーグル上で猛威を奮って今回問題になったこと自体がその証拠だと思うのです。

ついでに、仮に今回の炎上でウェルクが潰れても、ネット自体の仕組みは変わらないので、検索結果の質も変わらないと思っています。

その上で、どこにどこまで手を染めるかに、個人や組織の価値観がにじみ出ててくるんだろうと、そう思います。

現状、とにかく金だけを稼ぎたいならウェルクやメリー、イエモを掲げるDeNA

コンテンツは模倣、もしくは切り貼りで徹底的にコストカット
グーグルなどコンテンツの流通を占拠することだけに集中する

というやり方は(自分がやるかどうかは別として)最も合理的なやり方の一つだと、同事業運営者の一人として強く思います。

彼らを煽り立てる裏には、きれいな言葉を並べる一方で売却益のことだけ考えたバイアウトを狙うベンチャーキャピタルの存在も一役買っているのも事実かと思います。

それがどこまで長続きするかどうかは知りませんけれども。

 

(だれにとってかはさておき)良い記事をコストを掛けて書いても、秒速でコピペ模倣されて、その浮いたコストで競合に流通を抑えられてしまうこと

サイレントマジョリティが大多数で、グーグルの順位を決定づけるプロセスに本来のユーザーが不在

ユーザー相手に本当に良いコンテンツを作って、それをビジネスで成り立たせることを目指すと、経済的に成り立ちづらいというのが今のインターネット上における事業環境なのではないか?ということをツラツラ書いてまいりました。

ただ、この現状を嘆きたいわけでも、文句を言いたいわけでもなく、こういう環境下でも事業を行っていく必要があり、現状、あくまでも経済的文脈に限って言えば

「コンテンツイズキング、どころかコンテンツイズプア」なのが現状なんじゃないか?

というお話でした。

とネット上にゴミを撒き散らす一人として感想を述べてみました。

※一応注意書きを

ここに書いたものは個人の所感であること、悪や正義の話を意図したものではありません。

そういう仕組だから諸行無常だよね・・・という話でした。