「ライター」という立場からアフィリエイトを揶揄にするのはズルいと思う

とあるライターさんが執筆された記事の中で、自分が良いと思う商品を紹介されていました。
 
その際に「アフィリエイトリンクじゃないので安心して見てください」という部分がありました。
 
仕事のやる気が全く出ないので、そのことについてちょっと思ったことを気分転換がてら書いていっちゃいます。
 
特に特定の誰かについて話題にする意図はないので、特に名前も出しませんし、その記事へのリンクもしません。
 
前提として僕は現在、アフィリエイトサイトを運営して食べています。
 
どの立ち位置から発言するのか?は大事だと思うので、一応立ち位置を記しておきます。
 
その上での話なんですけど、僕は揶揄されていたことだったり、アフィリエイトが嫌われる理由はわかるんですよ。
 
「自分が良いと思った商品を紹介して、それでお金を儲けて何が悪いの?」
 
とおっしゃる方もいらっしゃいますが、僕自身はそういった考えではありません。
 
やっぱりね。モヤモヤした部分はありますよ。
 
キラキラしたことを言う人のサイト見てみても、だいたい単価順で並んでますからw
それか極めて狭いアフィリエイトプログラムがある商品の中で、一番良いものを選んでいたり。
 
ファンドに集まったお金を自分で流用したり、他の会社に回してて行政処分になったファンドをアフィリ報酬目当てでオススメしまくってて「投資は自己責任だ」と開き直って叩かれてる神ブロガーさんなんかもいますけどw
 
いつもの炎上リンク集めだと思いますけど。
 
嫌われ者のアフィリエイターでも、ユーザー相手にそこまで無責任なことはやらないですよ。なかなかできないw
 
基本的にメディアというのは「金を出してもらってるところには頭が上がらない」という黄金の法則があるので、どこかに矛盾だったり闇の部分は抱えてるものだと自分は考えています。
 
これはブログやウェブサイトに限らず、テレビ、雑誌、新聞といった、広告費で収益化している全てのメディアに言えることだと思うんですけど。
 
つまり金の出し手が、メディアのコンテンツに対して影響力を持っているということです。
 
メディアは金を出してもらったら、もう悪くは言えないんですよ。金を出してもらった人や企業のことを。
 
ユーザーと言う立場から見ても、例えば友達から「これいいよ!オススメ」と紹介されて、後日その人がその商品を作ってる企業から金貰ってブランド物のバッグとか買ってることがわかったら「あれっ?」ってなると思うんですよ。
 
自分はなるんですけどw
 
売れた時にお金をもらうという形だと、どうしてもユーザーという立場から見た時、
 
「この人は本気で良いと思ってオススメしているのか?」
「単純にお金が欲しくておすすめしているだけなのか?」
 
が、わからなくなるからです。
 
なので自分はアフィリエイトが嫌われる理由はわかります。
いい面もあることも間違いないんですけど。
 
とはいえですよ。「企業からそれなりのお金をチャージしてお金を稼いでるライターという立場の人」が、「私の記事にはアフィリエイトリンクはないから安心してくれ」と堂々と主張するのはどうなのだろうか?と思うんですよ。
 
現状、ウェブメディアのほとんどが広告費で収益化していると思うんですけど、広告費で収益化している以上、なんらかの矛盾点だったり闇があるわけです。
 
それを抱えながら各メディアは収益化して、そのお金で運営されているわけであって、ライターさんの金の出処はご自身で揶揄されている「広告マネー」なわけです。
 
もっと言うと、ここ1,2年のグーグルなんて、雑に言うと「はてぶ集めてバズらせとけばいいんだろ?状態になってる」なんて、メディア運営者の間では公然の秘密じゃないですか。
 
アフィリエイトリンクを揶揄することで「私はあなたの味方です」とクライアントの金で自分のブランディングをしながら、自分が揶揄をしたアフィリエイトを含む広告メディアのSEO対策に加担しているというシュールな図式。
 
最近じゃ普通にそうやってコツコツ積み上げた自分の影響力を使って、お金貰ってはてぶ集め手伝う形で、ゴリゴリのアフィリエイトサイトのSEO対策にも加担してるじゃないですか。
 
実際に作られているPR記事、僕も見ていて面白い素晴らしいコンテンツだなと思います。
 
コストも掛かってるし、掛かっちゃうと思うんですよ。他のネットの記事と比べると。
 
だけど、その記事だけで収益化って多分無理なんですよ。バズってその記事を見て実際に買ったり、その場所に行ってる人もいるとは思いますけど、そこから発生する収益だけだとおそらく赤字なので。
 
「良いコンテンツを作るだけでメディア運営で儲かる」ほど単純な状態なら、とっくにみんなやってますから。
 
だから「面白いコンテンツを作るべき」と主張するのは良いと思うんですけど、「なぜ他の人がそれやらないのか?」って言うと、それをやるとコストが掛かりすぎて現状ビジネスになりにくいからなんですよ。
 
PR記事の反響見てても、コメントで実際ライターさんのことは言及されてても、それを依頼したメディアのことってほとんど言及されていないです。
 
実際そのPR記事を見た人のほとんどが、そのメディアのことはほとんど覚えてないと思うんですよ。
 
それもそのはずで、ライターさんは自分が目立つような記事の作り方をしているから。
 
つまり、そのPR記事は「純粋な意味での運営メディアのPRになっているのか?」という面から見ると、制作費用をペイできてない可能性が極めて高いわけです。
 
じゃあ「どうしてネットメディアは高いお金を出してまでなぜ頼んでるのか?」って言うと、結局はグーグルで優遇されるためですよ。(全てではないことも一応強調。)
 
・はてぶの拡散性が高く、国内でそれに付随するプラットフォームがツイッターくらいしかない
 
・「少なくとも今」はグーグルが「良いコンテンツの指標の一つとして」はてぶを見ている
 
という環境だから、ほとんどのクライアントがSEO対策の一環で頼んでるのが現実だと思うんですけど。
 
みんなグーグルで優遇されたいから、数字を作れるライターさんに「お金出すのでバズらせてください。はてブ集めてください」と頼んでるわけじゃないですか。
 
「面白いコンテンツを作らないメディアは駆逐される」は、一部真実な部分もあるとは思います。
 
だけど、アフィリエイトだったり広告で食べてる会社から、グーグル対策としてそれなりのお金をもらっておいて、「僕の記事はアフィリエイトリンクじゃないので安心してください!」と聖人ぶるのはズルいことだと思うんですよ。
 
笑えるのは、そのPR記事を執筆したメディアの運営元がアフィリエイトサービスプロバイダ(通称ASP)を運営する会社だというw
 
これがね。アドセンスペシッと貼ってるだけのブロガーさんとかがおっしゃるのは分かるし、かっこいいと思うんですよ。筋が通ってるので。
 
ただ、広告メディアからそれなりのお金を受け取ってPR記事を執筆しておきながら、アフィリリンクを揶揄することで「俺は正直者。俺の言うことを信じろ」アッピールするのは、偽善だし欺瞞的だと思うんですよ。
 
一応もう一回強調させていただきますが、アフィリエイトという収益化の方法にはメリットもある反面、「揶揄されたような闇だったりモヤモヤする部分はある」と自分も思います。
 
「良いコンテンツを作れないメディアは駆逐される」これもまあいいや。
 
ただ
 
「実質グーグルで優遇されたいメディアからの広告マネーで懐を潤わせてるライターさんが、人前で堂々と他のメディアだったりアフィリエイトという仕組みを揶揄できる立場なのか?」
 
って言うと決してそうではないと思うんですよ。
 
そういうのは飲み屋だったり、クローズドな場所でする話だと思うんですよ。
金の出所が広告マネーのライターさんという立場の人は特に。
 
別にそのライターさんのことが嫌いとかそういう話ではなく、揶揄するにはちょっと筋が通らない立場にいる方だと自分は思うし、あの些細で不要な一文のせいで、あのコンテンツを楽しむことができず残念でした
 
という話でした。
 
ちなみに全てただの個人的見解と感想です。
 
おしまい